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ニュースリリース

静岡県「Iris yellow spot virus(IYSV)によるトルコギキョウの病害」特殊報

2002年2月25日

静岡県農林水産部長よりIris yellow spot virus(IYSV)によるトルコギキョウの病害」の特殊報が発令されました。
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病害虫発生予察特殊報第5号
                              平成14年 2月 14日
                              静岡県農林水産部長

1 病害虫名 Iris yellow spot virus(IYSV)によるトルコギキョウの病害
  病原ウイルス名 Iris yellow spot virus(IYSV)

2 特殊報の内容  県内初発生を確認

3 発生経過および状況
 平成13年5月および平成14年1月に県西部地区の施設栽培トルコギキョウに上葉にえそ
斑点、茎えそ、黄化等の症状を示した株が発生し、農林事務所を通して農業試験場に診
断依頼があった。これらについて農業試験場で調査した結果、IYSVによる病害であ
ることを確認した。
 各農家での発病程度は下表のとおりである。

     発生年月  被害面積 / 栽培面積  発病株率
    平成13年5月   0.5a / 10a      5%
    平成14年1月   0.1a / 5a       1%
 
 なお、国内では、平成13年に佐賀県と千葉県のトルコギキョウにおいて本ウイルスの
発生が認められている。

4 病徴
 症状は品種によって異なるが、株の萎縮、葉の黄化、えそ斑点、えそ輪紋、茎のえそ
条斑、花弁のふ入り等の症状が見られる。

5 国内における他作物での発生
 本ウイルスは、千葉県のアルストロメリアから検出されている。

6 ウイルスの性質・宿主範囲等
本ウイルスは、県内のキク等で発生しているTSWV(トマト黄化えそウイルス)と
同じトスポウイルス属に属する。
これまでの報告では宿主範囲は比較的狭く、全身感染植物はトルコギキョウ、ダッチア
イリス、リーキ、タマネギ、アルストロメリア、センニチコウが確認されている。

7 伝染方法
 本ウイルスは、ネギアザミウマによって媒介される。管理作業による汁液伝染、種子
伝染等については不明である。

8 防除対策
 本ウイルスを媒介するネギアザミウマ対策を中心に以下のことを実施する。
(1)無病苗を確保する
(2)発病した作物はすぐに除去する
(3)施設では防虫ネットを張る
(4)ほ場周辺の除草を行う
(5)ネギアザミウマに対し薬剤防除を徹底する

9 その他
 トルコギキョウには多種類のウイルス病が発生するので、本ウイルス病の確認が必要
な場合は、農林事務所、病害虫防除所、農業試験場に相談する。