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ニュースリリース

徳島県「ミニトマト」にトマトハモグリバエの特殊報

2002年3月6日

徳島県病害虫防除所よりミニトマト トマトハモグリバエの特殊報が発令されました。
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平成12年度農作物病害虫発生予察特殊報第1号
                       平成13年3月6日
                            徳島県
1 病害虫名
  トマトハモグリバエ Liriomyza sativae
 
2 発生作物
  ミニトマト
 
3 発生地域
  土成町
 
4 発生状況
 平成12年10月27日に土成町吉田のハウストマトの葉に寄生していたハモグリバエの同定を農林水産省横浜植物防疫所調査研究部の岩泉連氏に依頼した結果,トマトハモグリバエであることが判明した。
 
5 寄主植物
 本種は同じ科に属するマメハモグリバエなどと同様に,極めて多くの植物に寄生する多食性種である。最も頻繁に寄生が認められる植物は,ウリ科,マメ科,ナス科であり,メロン,キュウリ,カボチャ,トマト,ジャガイモ,トウガラシ,インゲンなどの作物が好適寄主として挙げられている。
 国内ではウリ科(キュウリ,カボチャ,ヘチマ,マクワウリ),マメ科(インゲンマメ,アズキ,ダイズ,ササゲ),ナス科(トマト,ナス),アブラナ科(ハクサイ,ダイコン,カブ,キャベツ,コマツナ,ブロッコリー),アオイ科(オクラ),キク科(ゴボウ,シュンギク,マリーゴールド)の6科20種の作物が寄主として確認されている。また,雑草のイヌホウズキやスカシタゴボウにも寄生することが確認されている。
 
6 被害状況
 果菜類ではキュウリ,カボチャ,ナス,トマトで,上位葉にまで幼虫の潜孔が認められ,寄生が著しい場合には葉が白化する。これまでマメハモグリバエではあまり問題にならなかったウリ科作物で多発生する傾向が認められている。
 キク科やアブラナ科の葉菜類では,発生量が少なくても,直接被害に結びつくために,これら作物の被害が懸念される。
 
7 形態
 成虫の体長は約1.3~2.3mm,翅長1.25mm(♂)~1.7mm(♀)で,大きさはマメハモグリバエ,ナスハモグリバエとほぼ等しい。体色は概ねマメハモグリバエ,ナスハモグリバエ等と同じである。

8 生態
 卵は雌成虫が産卵管で開けた穴の内側に産み付けられる。幼虫は葉に不規則な線状潜孔を形成する。老熟幼虫は潜孔の末端に弧状の切れ目を開けて脱出し,土中で蛹化する。潜孔及び蛹化の方法は近縁のマメハモグリバエとよく似ており,区別は困難である。
 卵から羽化までの発育零点は9.6℃で,有効積算温量は283.2日度と報告されており,気温20℃では27日,25℃では18日で卵から羽化に至ると予想される。発育速度は13℃以上では温度の上昇に伴って一定の割合で速まり,発育停止温度は31~32℃である。
 
9 防除対策
 (1)苗からの持ち込みを避ける。
 (2)収穫後の被害作物は発生源となるので,適切に処分する。
 (3)現在トマトハモグリバエに対する登録薬剤はない。当面の対応策としては,マメハモグリバエを対象として登録されている殺虫剤を用いての同時防除が考えられる。
(3月4日付でスピノエース顆粒水和剤が「トマト」の「ハモグリバエ類」に適用拡大となりました。)